ドレスのリボンの結び方:本当に必要なのはこの1つのテクニックだけ

ドレスのリボンの結び方:本当に必要なのはこの1つのテクニックだけ
ドレスは用意万端。シーンも完璧。なのに、言うことをきかないサッシュ(ウエストリボン)と格闘すること15分、仕上がったのは「上品なリボン」ではなく、「慌てて包んだプレゼント」みたいな結び目……。フラワーガールのドレスを前にして涙目になる大人を何人も見てきましたし、私自身もラップドレスのリボンがだらんと垂れ下がるたびに、家を出る前に4回結び直したことがあります。
ドレスのリボンをきれいに結ぶ方法は、一見とても単純そうなのに、いざ自分でやってみると「誰もちゃんと教えてくれなかったんだな」と気づく類いのスキルです。朗報なのは、いったん構造を理解してしまえば「今までなんであんなに苦労してたんだろう?」と思うくらい簡単になること。
あなたのリボンが「なんだか変」に見える理由
多くの人は、ドレスのリボンも靴ひもと同じ要領で結んでいます。じつはそれこそが問題です。ニューヨークとニースで12年以上にわたり、花嫁やセレブ、著名クライアントのフィッティングを担当してきたクチュールテーラーのロンダ・ヘイルによると、一般的な靴ひもの結び方は「グラニーノット(おばあちゃん結び)」と呼ばれる縦向きの結び目になりやすいそうです。そのせいでリボンが片側に倒れたり、ねじれてしまったり、背中やウエストにぴたっと沿ってくれなかったりします。
きちんと整ったリボンと、いかにも不格好なリボンの差は、多くの場合「リボンをどちら向きに巻くか」という、たったひとつの違いに集約されます。子ども用フォーマルウェアを扱う Pink Princess は、フラワーガール、ファーストコミュニオン、ホリデーシーズンなどの特別な場面では「見た目がすべて」であり、ゆがんだリボンはせっかくの完璧な装いを台無しにしかねないと指摘しています。ただし、彼らが触れていないのは、大人だって同じ問題に直面しているという点。ラップドレスやオールインワン、セルフタイのベルト付きの服など、私たちの多くはずっと「なんとなく自己流」で乗り切ってきただけなのです。
どんなドレスにも使える、ステップ式「正しいリボン結び」
Connected Apparel のスタイリストは、最初に左右のリボンの長さをあえて「不均等」にしておくことを勧めています。一見おかしな発想ですが、仕上がりのバランスをよくするためにとても効果的です。まず体から約25cmほど前に両手を伸ばし、それぞれの手に1本ずつリボンを持ちます。このとき、左手のリボンを右手より数センチ長くしておきます。これは、輪を作る際に布を多く使うぶんを先に見込んでおくためで、こうしておくと仕上がりの「たれ」の長さに大きな差が出にくくなります。
次に、左側のリボンを右側のリボンの上に交差させ、そのまま左のリボンを自分の体側に戻すようにして右のリボンのまわりに一周させます。両端を引いて、まずは土台になる固めの結び目を作りましょう。ここがゆるいと、この後どんなに頑張ってもきれいに決まりません。土台ができたら、左側のリボンを両手で持ち、体から約13〜15cmの位置で後ろ側に折り返して輪を作ります。この輪の大きさが、そのまま仕上がりのリボンのサイズになるので、バランスを意識しましょう。子どものドレスなら小ぶりに、大人のボリュームあるサッシュなら、やや大きめの輪のほうが見栄えします。
できた輪を、折り目の部分で親指と人さし指でつまんでキープします。今度は右側のリボンを使い、輪の前面を横切るようにかぶせてから、後ろ側にまわし、輪の後ろにできた小さな穴に通します。引き抜くと、2つ目の輪ができます。このとき、2つ目の輪を引き出す方向が、最初の結び目を作ったときと「逆向き」になるように意識してください。これによってリボンが縦ではなく横向きに座ってくれます。ここを間違えると、リボンがねじれたり傾いたりする原因になり、失敗例のほとんどがこのポイントの向き違いです。
2つの輪を同時に外側へ引っ張り、中央の結び目をぎゅっと締めます。輪の大きさをそろえるように整え、たれの部分は下向きに軽く引いて固定を強めます。もしまだアンバランスに見えるなら、輪やたれの片側だけを少しずつ引いて微調整してかまいません。これはごく普通のことで、やり方が間違っているという意味ではありません。生地の厚みやハリ、滑り具合によって、リボンの落ち着き方は大きく変わるからです。
背中のリボン vs. 前結びリボン
自分の背中側でリボンを結ぶのは、目の前で結ぶより本当に難しくなります。しかも背中の場合は、基本的に手探りで作業するしかありません。フォーマルドレスの後ろサッシュについて、wikiHow のガイド(ロンダ・ヘイル共著)でも、基本の結び方自体は同じだとしつつ、「目ではなく感覚で結ぶことになる」と認めています。
自分のドレスの背中リボンを結ぶなら、鏡の前に立ち、背中を鏡側に向けて、映り込みを頼りに作業すると少し楽になります。あるいは、誰かに結んでもらうのも手です。フォーマルな場なら、たいてい周りに人がいますしね。子どものドレスの場合、Pink Princess のステップガイドでは、結び始める前にサッシュの両側をまっすぐ・なめらか・同じ高さにそろえておくことの重要性を強調しています。これは、子どもの後ろに立って結ぶときのほうがはるかに簡単で、大人が自分の背中側で腕をねじりながら結ぶよりよほど現実的です。
「ハーフボウ」という選択肢
どんなドレスにも、必ずしもフルのリボン結びが必要なわけではありません。ファッションブロガーの Tanya Foster は、シャツワンピースやペーパーバッグショーツ、ウエストリボン付きトップスなどで「ハーフボウ」が人気を集めていると指摘しています。従来の二重ループのリボンよりもカジュアルで今っぽい印象になり、しかも結び方もかなり簡単。これだけでも、ハーフボウを選ぶ十分な理由になります。
ハーフボウの結び方は、まずリボン両端を持ち、片方だけで1つの輪を作ります。もう一方のリボンは、その輪のまわりにぐるりと巻きつけるだけ。通常のリボンのように、そこからさらに引き抜いて2つ目の輪を作るのではなく、片側はそのまま「たれ」の状態でぶら下げておきます。仕上がりは「中途半端に終わった」ではなく、「あえてラフに結んだ」ように見えるのが特徴です。ただし、文脈は大事で、リネンのシャツワンピースにつけたハーフボウなら「こなれ感」になりますが、重厚なフォーマルガウンについていると、単に「結び忘れ」のように見えてしまいます。ハーフボウとフルボウの割合について信頼できるデータは見つかりませんでしたが、体感としては、結婚式に着ていくような服よりも、日常のカジュアルウェアでよく見かける印象です。
生地とサッシュの幅は、想像以上に重要
ほどよくハリのあるグログランリボンでうまくいく結び方が、つるつるのサテンリボンではまったく安定しない こうした点を、多くの「リボンの結び方」解説はほとんどスルーしています。滑りやすい生地の場合は、時間とともにほどけやすいので、土台の結び目をよりきつく締める必要があります。幅広のサッシュなら、リボンの輪もある程度大きくしないと、全体のバランスが悪く見えます。逆にごく細いリボンなら、輪を作る前に土台部分を二重結びにしておいたほうが、リボン同士がしっかり噛み合ってほどけにくくなります。
子ども用フォーマルウェアを扱う Eva's House は、自社のリボンや、同じ素材のリボンに最適化した結び方を紹介していますが、あくまで「生地の厚みや質感が分かっている商品」前提の話です。もし手元のドレスがどんな素材かよく分からないなら、本番前に必ず「試し結び」をしておきましょう。本当に。たった5分の練習で、食事中にリボンがほどけてしまうような、気まずいハプニングを確実に回避できます。
どうしてもリボンが言うことをきかないとき
ときには、問題なのはあなたのテクニックではなく「服そのもの」であることもあります。私自身、そもそも輪が作れないほど短くカットされたサッシュや、左右対称のリボンが物理的に不可能な角度で取り付けられたリボン、どんなに結んでも安全ピンの助けなしにはほどけてしまうほどツルツルの生地など、さまざまな「難物」と出会ってきました。手順どおりに結んだのに、どうしてもひどい見た目にしかならないときは、そもそもその服の構造に無理がないか疑ってみてください。
いくつか試せる対処法としては、まず布用両面テープやファッションテープを土台の結び目の下に貼って、滑りを抑える方法があります。結ぶ前にサッシュをスチームやアイロンでしっかり伸ばしておくと、シワがとれて輪の部分がすっきり見えます。また、たれが長すぎてリボンより目立ってしまう場合は、無理にすべてをリボンに組み込もうとせず、余分をウエストの内側に軽くたくし込んだり、あえて長く垂らしてアクセントにしたりするのも一案です。Connected Apparel は、リボンは体型をきれいに見せてくれるお手軽なアクセントだと述べていますが、それはあくまで「リボンが言うことをきいてくれる場合」に限った話。うまく決まらないリボンは、肝心のスタイルアップどころか、視線をお腹まわりに集めてしまう「逆効果の目立ちポイント」にもなりかねません。

すべてを踏まえて
ドレスのリボンをきれいに結べるかどうかは、人生の中では確かに「ささやかなスキル」に過ぎません。でも、思っている以上の頻度で登場するスキルでもあります。ラップドレス、サッシュベルト、子ども用フォーマル、そしてギフトラッピングまで 基本となるメカニズムはどれもほぼ同じです。一度コツを体に覚えさせてしまえば、いちいち考える必要もなくなり、それこそが理想の状態。いつのまにか「きれいなリボン」が当たり前に結べていて、その場であたふたとリボンと格闘することもなくなるでしょう。
次のフォーマルな予定の前に、まずは気軽な服やリボンで練習してみてください。最初のうちは「なんか変だな」と感じる仕上がりになるのは、誰にとっても普通のことです。きれいにリボンを結べる人とそうでない人の唯一の違いは、前者が「しっくりくるまで何度も手を動かしてみた」かどうかだけなのです。